動画クリエイターになるには?未経験からの5ステップと必要なスキル
動画クリエイターになるには、資格より作品が重要です。5つの職種の仕事内容、求人データで見る年収、必要なスキル6つ、独学・スクールなど4つのルート、未経験から最初の仕事を得る5ステップと、AIで変わる作業を解説します。
この記事の結論
- 動画クリエイターになるには、編集ソフトを覚えて作品を作り、ポートフォリオで求人や案件に応募する流れが基本で、必須の資格はありません。
- 年収の目安は求人ボックスの集計で映像制作 約449万円・映像編集 約431万円・映像ディレクター 約470万円です(2026年10月時点)。
- 未経験からは、職種とジャンルを決める→ソフトを用意→模写で練習→ポートフォリオ→応募の5ステップで進めると遠回りを防げます。
動画クリエイターは、YouTubeやショート動画の編集者から、企業の広告映像を手がけるディレクター、AIで映像を生成するクリエイターまで幅広く存在します。
職種ごとの仕事内容・年収・必要なスキルを把握すると、未経験から何を学び、どの順番で仕事に近づけばよいかを迷わず決められます。
本記事では、動画クリエイターになるための4つのルート・必要なスキル・年収と働き方をまとめています。さらに、未経験から仕事を始める5つのステップと、AIで変わる作業も紹介します。
動画クリエイターになるには?未経験からの道筋の早見表

動画クリエイターになるには、編集ソフトの操作と構成の考え方を身につけ、作品をポートフォリオにまとめて求人や案件に応募する流れが基本です。動画クリエイターに必須の資格や学歴はなく、採用や受注の判断材料になるのは「どんな動画を作れるか」を示す作品です。
動画クリエイターになるまでの全体像を、項目ごとに表でまとめます。
項目 | 内容 |
|---|---|
主な職種 | 動画編集者・映像ディレクター・撮影担当・モーショングラフィックス/CGクリエイター・AI動画クリエイター |
なるためのルート | 独学/スクール/専門学校・大学/制作会社にアシスタントで就職 |
必要な資格 | 必須の資格はない(CGクリエイター検定などの民間検定はある) |
年収の目安(求人ボックス) | 映像制作 約449万円/映像編集 約431万円/映像ディレクター 約470万円 |
働き方 | 会社員(制作会社・事業会社)・フリーランス・副業 |
最初に用意するもの | パソコン・編集ソフト(無料版から始められる) |
未経験からの道筋 | 職種を決める → ソフトを用意 → 模写で練習 → ポートフォリオ → 求人・案件に応募 |
※年収は2026年10月時点・求人ボックス給料ナビより(2026年10月に掲載求人情報から算出した給与水準の中央値)。
上記の流れのうち、未経験の方が時間をかけるべきなのはポートフォリオづくりです。以下では、職種・年収・スキルの順に具体的に解説します。
動画クリエイターと映像クリエイターの違い
動画クリエイターと映像クリエイターは、どちらも映像作品を企画・撮影・編集する仕事を指し、明確な定義の違いはありません。求人や記事で使い分けられる場面はありますが、仕事の中身は重なっています。
呼び方の傾向は、以下のとおりです。
- 動画クリエイター:YouTube・TikTok・Instagram など、Web・SNS向けの動画を作る仕事で使われやすい
- 映像クリエイター:テレビ番組・CM・企業VP(会社紹介映像)・映画など、制作会社の仕事で使われやすい
- AI動画クリエイター:動画生成AIで素材を作り、編集で仕上げる仕事を指して使われ始めた呼び方
どの呼び方でも、編集ソフトの操作と構成を考える力が土台になる点は共通です。求人を探す際は、「動画編集」「映像制作」「映像編集」の3つの職種名で検索すると見落としを減らせます。
動画クリエイター・映像クリエイターの仕事内容【5職種】

動画クリエイターの仕事内容は、制作工程のどこを担当するかで大きく変わります。1本の動画は、企画・撮影・編集・仕上げの工程に分かれ、規模が大きい制作ほど工程ごとに担当者が分かれるためです。
ここでは、動画クリエイターの代表的な職種を5つ紹介し、最後に職種ごとの違いを表で比較します。
動画編集者
動画編集者は、撮影した素材をカットし、テロップ・BGM・効果音・色を整えて1本の動画に仕上げる職種です。未経験から目指しやすい職種で、YouTube・ショート動画・企業のSNS動画が主な依頼先になります。たとえば、収録30分の素材を10分前後にまとめ、冒頭で動画の内容が伝わるように順番を入れ替える作業があります。
ただし、チャンネルや企業ごとにテロップの色・フォントのルールが決まっているため、最初はルールどおりに仕上げる正確さが求められます。ジャンル別の仕事内容は動画編集の仕事とは?仕事内容・年収・将来性で詳しく解説しています。
映像ディレクター
映像ディレクターは、動画の目的に合わせて企画・構成・演出を決め、撮影と編集の担当者に指示を出す職種です。依頼主との打ち合わせ、絵コンテや構成案の作成、スケジュールと予算の管理まで担当します。たとえば、企業の採用動画であれば、誰に何を伝えるかを決め、出演者・撮影場所・尺を組み立てます。
ただし、映像ディレクターは未経験からいきなり就くより、編集者やアシスタントとして現場を経験してから任される流れが一般的です。
撮影担当(カメラマン)
撮影担当は、カメラ・照明・音声収録の機材を扱い、編集に使える素材を撮る職種です。構図・光の当て方・カメラの動きで映像の印象が決まるため、撮影の技術は動画の品質に直結します。たとえば、インタビュー動画では、話し手の表情が見える構図と、聞き取りやすい音声の収録が求められます。
ただし、撮影の仕事は機材の購入費がかかり、現場に出向く仕事が中心です。在宅で始めたい方は、編集から入るほうが始めやすくなります。
モーショングラフィックス・CGクリエイター
モーショングラフィックス・CGクリエイターは、文字・図形・イラスト・3DCGを動かして映像を作る職種です。サービス紹介動画・CMのロゴアニメーション・ミュージックビデオの演出などで使われます。たとえば、アプリの使い方を図解で見せる動画は、撮影素材を使わずモーショングラフィックスだけで作られることがあります。
ただし、After Effects や Blender などの専門ソフトの習得が必要で、編集より学ぶ範囲が広くなります。
AI動画クリエイター
AI動画クリエイターは、動画生成AI・画像生成AI・AI音声を使って素材を作り、編集ソフトで1本の動画に仕上げる職種です。撮影やCG制作をしなくても、プロンプト(AIへの指示文)から映像を作れる点が特徴です。たとえば、商品の世界観を伝える広告動画のイメージカットを、Kling AI や Veo 3 などの動画生成AIで作る使い方があります。
ただし、生成した映像をそのまま納品できる場面は限られ、構成・編集・音の仕上げは従来の動画編集の技術が必要です。動画生成AIの種類は動画生成AIおすすめで比較しています。
5つの職種の違いを、主な仕事・主に使うツール・未経験からの入りやすさで比較します。
職種 | 主な仕事 | 主に使うツール | 未経験からの入りやすさ |
|---|---|---|---|
動画編集者 | カット・テロップ・BGM・色調整 | Adobe Premiere(旧Premiere Pro)・DaVinci Resolve・CapCut | ◎ |
映像ディレクター | 企画・構成・演出・進行管理 | 構成案・絵コンテ・編集ソフト | △ |
撮影担当 | 撮影・照明・音声収録 | カメラ・照明・マイク | ○ |
モーショングラフィックス・CG | 文字・図形・3DCGのアニメーション | After Effects・Blender | ○ |
AI動画クリエイター | AIで素材を生成し編集で仕上げる | 動画生成AI・画像生成AI・編集ソフト | ○ |
※◎:未経験可の求人・案件が見つけやすい ○:基礎の習得後に挑戦しやすい △:実務経験を積んでから任されることが多い
上記のとおり、未経験から最初の仕事を得やすいのは動画編集者です。編集の経験は、ディレクターやAI動画クリエイターに進む際の土台にもなります。
動画クリエイターの年収と働き方3つ

動画クリエイターの年収は、求人ボックス給料ナビの集計で約404万円〜470万円が目安です。職種名ごとに集計されており、企画や進行管理を担う映像ディレクターが高めに出ています。
ここでは、職種別の年収を表で示したうえで、会社員・フリーランス・副業の3つの働き方を解説します。
動画クリエイターに関わる職種の年収と時給を、求人の公開データで比較します。
職種名(求人ボックス) | 平均年収 | 月給 | 派遣の平均時給 |
|---|---|---|---|
映像ディレクター | 約470万円 | 39万円 | 1,891円 |
映像制作 | 約449万円 | 37万円 | 1,842円 |
映像編集 | 約431万円 | 36万円 | 1,842円 |
動画編集 | 約404万円 | 34万円 | 1,798円 |
※2026年10月時点・求人ボックス給料ナビより。2026年10月に求人ボックスが掲載求人情報から算出した、集計対象求人の給与水準の中央値です。
転職サービスの登録者データでは、dodaの平均年収ランキング(2025年版)で「映像/イベント/芸能関連」が平均349万円、20代が318万円、30代が402万円です(2024年9月〜2025年8月にdodaに登録した正社員の集計)。求人ボックスは求人の提示額、dodaは登録者の実際の年収を集計しているため、2つの数字には差があります。未経験から入る場合は、20代の平均(318万円)に近い水準から始まる前提で計画を立てると安全です。
会社員(制作会社・事業会社)
会社員の動画クリエイターは、映像制作会社や、自社の動画を作る事業会社に所属して働きます。毎月の給与が決まっており、先輩の指導を受けながら実務を経験できる点が利点です。たとえば、制作会社ではアシスタントとして素材整理や仮編集から入り、経験に応じて本編集やディレクションを任されます。
ただし、制作会社では納期前に作業が集中しやすく、案件によっては残業が増えます。応募前に、担当する工程と1ヶ月の制作本数を確認しておきましょう。
フリーランス
フリーランスの動画クリエイターは、企業や個人から案件を直接受けて働きます。単価と本数を自分で決められるため、継続案件や高単価の案件を持つほど収入を伸ばせます。たとえば、YouTubeチャンネルの編集を毎週受ける継続契約は、毎月の収入の見通しを立てやすい働き方です。
ただし、フリーランスの収入には公的な統計がなく、案件が途切れると収入も止まります。発注事業者に取引条件の明示などを義務づけるフリーランス法(公正取引委員会)も把握しておくと、トラブルを避けやすくなります。始め方は動画編集でフリーランスになるにはで解説しています。
副業
副業の動画クリエイターは、本業を続けながら、週末や夜にクラウドソーシングなどで案件を受けて働きます。収入を得ながら実績を積めるため、未経験から転職や独立を目指す前の準備期間として選ばれます。たとえば、ショート動画の編集は1本の尺が短く、本業の合間でも作業時間を確保しやすい仕事です。
ただし、勤務先の就業規則で副業が認められているかを先に確認してください。AIを使った副業の始め方はAI動画編集の副業で稼ぐ方法にまとめています。
動画クリエイターに必要なスキル6つ

動画クリエイターに必要なスキルは、編集ソフトの操作だけではありません。依頼主は「再生される動画」「商品が売れる動画」など目的を持って発注するため、目的に合わせて構成を考える力と、やり取りを円滑に進める力も評価の対象になります。
ここでは、動画クリエイターに必要なスキルを6つ紹介し、最後にスキルごとの学び方を表にまとめます。
編集ソフトの操作
編集ソフトの操作は、動画クリエイターに最初に必要なスキルです。カット・テロップ・BGM・トランジション・書き出しの基本操作ができないと、どの職種でも作品を形にできないためです。たとえば、カット編集とテロップ入れを1本の動画で迷わずこなせると、YouTube編集の案件に応募できる水準に近づきます。
ただし、ソフトの機能をすべて覚える必要はありません。依頼の多い作業から順に覚えましょう。
構成・企画力
構成・企画力は、動画の目的と視聴者に合わせて、見せる順番と尺を決めるスキルです。同じ素材でも、冒頭で何を見せるかによって最後まで見られる割合が変わるからです。たとえば、ショート動画では最初の1〜2秒で結論や印象的な場面を見せ、スクロールを止めてもらう構成がよく使われます。
ただし、構成・企画力はソフトの操作と違い、手順を覚えるだけでは身につきません。参考動画を分析し、自分の作品で試す練習を繰り返す必要があります。
撮影の基礎
撮影の基礎は、構図・光・音声の3つを押さえて、編集で使える素材を撮るスキルです。編集者であっても、撮影の基礎を知っていると素材の良し悪しを判断でき、撮影者への依頼も具体的になります。たとえば、逆光で顔が暗い素材は、編集で明るさを補正しても画質が落ちやすくなります。
ただし、編集の仕事だけを受ける場合は、高価な機材をそろえる必要はありません。
テロップ・サムネイルのデザイン
テロップ・サムネイルのデザインは、文字の大きさ・色・配置で情報を読みやすく伝えるスキルです。YouTubeでは、サムネイルが動画を開いてもらえるかどうかの入り口になり、編集とセットで依頼されることがあります。たとえば、スマートフォンで見たときに3秒で読める文字数に絞ると、サムネイルの訴求が伝わりやすくなります。
ただし、フォントや素材の利用規約は商用利用の可否が分かれるため、使う前に確認が必要です。
AIツールの活用
AIツールの活用は、文字起こし・字幕・無音カット・素材の生成などをAIで速くするスキルです。Adobe Premiere・DaVinci Resolve・CapCut には自動文字起こしなどのAI機能があり、動画生成AIを使えば撮影なしで映像素材を作れます。たとえば、字幕の作成をAIの自動文字起こしで下書きし、誤字だけを人が直すと、1本あたりの作業時間を短くできます。
ただし、AIが出した字幕や映像は誤りや不自然な部分を含むため、最終確認は人がする必要があります。生成AIの商用利用の条件は、ツールごとの利用規約で確認してください。
進行管理とコミュニケーション
進行管理とコミュニケーションは、納期を守り、依頼主の意図を正確に受け取るスキルです。動画の仕事は修正のやり取りが発生するため、連絡の速さと分かりやすさが継続依頼につながります。たとえば、編集を始める前に参考動画・尺・修正回数を確認しておくと、作り直しを減らせます。
ただし、依頼主の要望をすべて受け入れると作業量が増え続けます。修正の範囲は最初に取り決めておきましょう。
6つのスキルの学び方を、学ぶ順番の目安とあわせて表にまとめます。
スキル | 主な学び方 | 学ぶ順番の目安 |
|---|---|---|
編集ソフトの操作 | ソフトの公式チュートリアル・解説動画・模写 | 最初 |
テロップ・サムネイルのデザイン | 人気チャンネルのテロップ・サムネイルの分析と模写 | 編集と並行 |
AIツールの活用 | 編集ソフトのAI機能・動画生成AIを実際に使う | 編集と並行 |
構成・企画力 | 参考動画の構成を書き出し、自分の作品で試す | 基本操作の後 |
撮影の基礎 | スマートフォンで構図・光・音声を試す | 必要に応じて |
進行管理とコミュニケーション | 実案件・模擬案件・添削でのやり取り | 案件に応募する前後 |
上記の順番で学ぶと、作品を作りながらスキルを積み上げられます。編集ソフトの操作から始め、作品づくりの中で構成とデザインを磨きましょう。
動画クリエイターになる4つのルートと資格の必要性

動画クリエイターになるルートは、独学・スクール・専門学校や大学・制作会社への就職の4つです。かけられる費用と時間、目指す働き方によって、合うルートが変わります。
ここでは、4つのルートの特徴を表で比較したうえで、ルートごとの注意点と資格の必要性を解説します。
4つのルートを、費用・期間・向いている方で比較します。
ルート | 費用 | 期間 | 向いている方 |
|---|---|---|---|
独学 | パソコンとソフト代のみ(無料ソフトもある) | 自分で決める | 自分で計画を立てて続けられる方 |
スクール | 受講料がかかる | 数ヶ月が中心 | 短期間で仕事にしたい方・質問できる環境がほしい方 |
専門学校・大学 | 学費がかかる | 2〜4年 | 高校卒業後に映像業界を目指す方 |
制作会社に就職 | 給与をもらいながら学べる | 入社後に実務で習得 | 未経験可の求人に応募でき、会社員として働きたい方 |
※専門学校・大学の期間は修業年限(専門学校2年・大学4年が中心)。スクールの料金・期間はスクールごとに異なります。
4つのルートは組み合わせられます。たとえば、独学やスクールでポートフォリオを作り、制作会社の未経験可の求人に応募する進み方もあります。
独学で目指す
独学は、費用を抑えて自分のペースで学べるルートです。DaVinci Resolve や CapCut には無料版があり、解説動画や公式チュートリアルも充実しているため、ソフトの基本操作は独学で身につけられます。たとえば、好きなYouTubeチャンネルの動画を1本選び、テロップやカットを真似て再現する練習は、費用をかけずにできます。
ただし、独学は作品の良し悪しを判断してくれる人がおらず、自分の弱点に気づきにくい点が課題です。独学とスクールの違いは動画編集は独学とスクールどっちがいい?で比較しています。
スクールで学ぶ
スクールは、カリキュラムに沿って学び、講師に質問や添削を受けられるルートです。学ぶ順番が決まっているため、何から手をつけるかで迷う時間を減らせます。たとえば、ポートフォリオの添削や案件獲得のサポートがあるスクールでは、作品づくりから応募までを一続きで進められます。
ただし、スクールは受講料がかかり、サポート内容もスクールごとに違います。料金の相場は動画編集スクールの料金相場で確認できます。
専門学校・大学で学ぶ
専門学校・大学は、映像制作を2〜4年かけて体系的に学ぶルートです。撮影機材やスタジオを使った実習があり、テレビ局や制作会社の求人につながる就職支援を受けられます。たとえば、映像系の学科では、企画・撮影・編集を班で分担して作品を作る授業があります。
ただし、学費と期間の負担が大きく、社会人が仕事を続けながら通うのは難しい場合があります。
制作会社にアシスタントで就職する
制作会社への就職は、給与を得ながら現場で技術を身につけるルートです。求人サイトでは、「未経験可」の条件で映像制作・動画編集の求人を絞り込んで探せます。たとえば、アシスタントとして素材の整理・仮編集・撮影の補助から入り、現場の進め方を学ぶ流れがあります。
ただし、未経験可の求人でも、応募時に作品の提出を求められることがあります。簡単な作品でも、ポートフォリオを用意してから応募しましょう。
資格は必須ではない
動画クリエイターになるために、必須の資格はありません。採用や受注では、資格より作品で「何を作れるか」が判断されるためです。たとえば、クラウドソーシングの案件では、応募時にポートフォリオのURLや過去の作品の提出を求める依頼があります。
ただし、知識を体系的に確認したい方には、民間の検定が目安になります。代表的な検定は、以下のとおりです。
- CGクリエイター検定(CG-ARTS):構図やカメラワークなどの映像制作の基本から3次元CG制作の手法までを問う検定。ベーシックとエキスパートの2段階
- 受験料と試験日(2026年度):ベーシック6,050円・エキスパート7,150円(税込)。前期は7月12日、後期は11月29日
※2026年10月時点・CG-ARTS公式サイトより。検定の合格は就職・受注を保証するものではないため、作品づくりと並行して活用しましょう。
動画クリエイターに向いている方・向いていない方

動画クリエイターに向いているのは、動画を作る作業そのものを楽しめ、地道な修正を続けられる方です。1本の動画は細かなカットや文字の調整の積み重ねで完成し、依頼主の修正にも対応する必要があるためです。
ここでは、動画クリエイターに向いている方と、つまずきやすい方の特徴を表で比較します。
向いている方 | つまずきやすい方 |
|---|---|
動画を見るとき、カットやテロップの工夫に目が向く方 | 動画を見るだけで、作り方には興味が湧かない方 |
同じ作業を細かく直し続けられる方 | 1回で完成させたい方・修正の指示に強いストレスを感じる方 |
人気の動画を分析し、自分の作品に取り入れられる方 | 自分の好みだけで作りたい方 |
新しいソフトやAIツールを試すのが好きな方 | 覚えた操作だけで続けたい方 |
納期から逆算して作業を進められる方 | 締め切りの管理が苦手で、連絡が遅れがちな方 |
つまずきやすい特徴に当てはまっても、動画クリエイターになれないわけではありません。たとえば、締め切りの管理が苦手な方は、作業の工程ごとに期限を書き出すだけでも遅れを防げます。
動画クリエイターに必要なのは、最初からのセンスより、人気の動画を分析して自分の作品で試す習慣です。向き不向きを判断する前に、まず1本作ってみましょう。
未経験から動画クリエイターになる道筋【5STEP】

未経験から動画クリエイターになるには、目指す職種を決めてから、ソフトの準備・練習・ポートフォリオ・応募の順に進めます。順番を決めずに学び始めると、使わない機能の習得に時間をかけてしまい、作品が増えないためです。
ここでは、未経験から最初の仕事を得るまでの道筋を5つのステップで解説します。全体の流れは、以下のとおりです。
- STEP1:目指す職種とジャンルを決める
- STEP2:パソコンと編集ソフトを用意する
- STEP3:模写で基本操作を覚える
- STEP4:ポートフォリオを作る
- STEP5:求人・案件に応募する
STEP1 目指す職種とジャンルを決める
最初に決めるのは、目指す職種と、作りたい動画のジャンルです。YouTube編集・ショート動画・企業の広告動画では、求められるテンポや品質が違い、練習すべき内容も変わるからです。たとえば、在宅で副業から始めたい方はYouTubeやショート動画の編集、会社員として映像業界に入りたい方は企業VPや広告動画を選ぶと、練習と応募先がつながります。
ただし、最初に決めたジャンルを途中で変えても問題ありません。迷う場合は、依頼の多い動画編集者から始めましょう。
STEP2 パソコンと編集ソフトを用意する
動画クリエイターに必要な道具は、編集に耐えられるパソコンと編集ソフトの2つです。スマートフォンのアプリでも編集はできますが、仕事では素材の量が多く、細かな調整や書き出しの設定にはパソコンの編集ソフトが向いているためです。代表的な編集ソフトの料金は、以下のとおりです。
ソフト | 無料で使えるか | 有料プランの料金 |
|---|---|---|
Adobe Premiere(旧Premiere Pro) | 7日間の無料体験 | 月額3,280円(税込・年間プラン月々払い) |
DaVinci Resolve | 無料版あり | DaVinci Resolve Studio 40,980円(税込) |
CapCut | 無料プランあり | Pro 月額2,700円 |
※2026年10月時点・Adobe/Blackmagic Design/CapCut 各公式サイトより。Adobe Premiere Pro は、デスクトップ版とモバイル版をまとめて「Adobe Premiere」に名称が変わっています。
無料版で基本操作を覚え、仕事で必要になった時点で有料版に移ると、初期費用を抑えられます。ソフトの選び方は動画編集ソフトおすすめ、パソコンの必要スペックは動画編集用パソコンの選び方で解説しています。
STEP3 模写で基本操作を覚える
基本操作は、プロの動画を真似て再現する「模写」で覚えるのが近道です。完成形が決まっているため、カット・テロップ・BGMのどこが足りないかを自分で比べられるからです。たとえば、目指すジャンルの人気動画から1〜3分の区間を選び、テロップの位置・色・出るタイミングまで再現します。
ただし、模写した動画は練習用で、他人の動画素材をそのままポートフォリオとして公開すると権利の問題が起きます。公開する作品は、自分で撮影・用意した素材で作り直してください。
STEP4 ポートフォリオを作る
ポートフォリオは、自分が作れる動画を依頼主や採用担当者に示す作品集です。動画クリエイターの採用や受注では、資格や学歴より作品が判断材料になるため、ポートフォリオが中心の応募書類になります。ポートフォリオに入れる内容は、以下のとおりです。
- 目指すジャンルの作品3本前後
- 作品ごとの制作意図(誰に・何を伝えるための構成か)
- 担当した工程と使ったソフト・AIツール
- 1本あたりの制作時間
- 連絡先と対応できる作業の範囲
作品はYouTubeの限定公開やクラウドストレージに置き、URLを1つにまとめておくと、応募のたびに送りやすくなります。
STEP5 求人・案件に応募する
ポートフォリオができたら、求人サイトやクラウドソーシングで応募を始めます。会社員を目指す方は制作会社の未経験可の求人、副業やフリーランスを目指す方はクラウドソーシングの編集案件が入り口になります。たとえば、クラウドソーシングでは、依頼内容に合わせて提案文を書き、近いジャンルの作品URLを添えて応募します。
ただし、最初は応募しても返信がないことがあります。提案文と作品を見直しながら、応募を続けましょう。案件の探し方と単価は動画編集の案件獲得方法と単価相場で詳しく解説しています。
AI時代の動画クリエイターの将来性

動画クリエイターの仕事は、動画広告の市場が伸びているため需要が続く一方で、AIによって作業の中身が変わりつつあります。単純な作業はAIで速くなり、人には構成の設計と品質の判断がより求められるようになっています。
ここでは、市場の数字とAIで変わる作業の2つの視点で、動画クリエイターの将来性を解説します。
動画広告の市場は伸びている
国内の動画広告市場は、2025年に8,855億円(前年比122.2%)まで伸びています。企業が商品やサービスの宣伝に動画を使う場面が増え、動画を作る人材の需要につながっているためです。たとえば、TikTok やリールなどの縦型動画広告は2025年に2,049億円(前年比155.9%)で、2029年には5,648億円に達すると予測されています。
動画広告市場の推移と予測は、以下のとおりです。
項目 | 2025年(実績) | 2026年(予測) | 2029年(予測) |
|---|---|---|---|
国内動画広告市場 | 8,855億円 | 1兆437億円 | 1兆6,336億円 |
うち縦型動画広告 | 2,049億円 | 2,771億円 | 5,648億円 |
※サイバーエージェントとデジタルインファクトによる国内動画広告市場の調査(2026年3月9日発表)より。
ただし、市場の拡大は動画クリエイター全員の収入増を意味するものではありません。広告動画では成果が問われるため、構成や訴求を考えられる人材ほど選ばれやすくなります。
AIで速くなる作業・人が担う作業
AIで速くなるのは、文字起こし・字幕・無音カット・素材の生成などの定型作業です。編集ソフトのAI機能や動画生成AIによって、人が手作業で時間をかけていた工程を短くできるためです。一方で、誰に何を伝えるかを決める構成や、仕上がりの品質の判断は人が担います。
AIで速くなる作業と人が担う作業を、工程ごとに比較します。
工程 | AIで速くなる作業 | 人が担う作業 |
|---|---|---|
企画・構成 | 台本のたたき台・アイデア出し | 目的と視聴者に合わせた構成の決定 |
素材づくり | 動画生成AI・画像生成AIでの素材生成 | 世界観に合う素材の選定・権利の確認 |
編集 | 無音カット・自動字幕・文字起こし | テンポ・見せ場の判断・字幕の誤り修正 |
音 | AIナレーション・BGMの生成 | 音量のバランス・読み間違いの確認 |
納品 | サイズ違いの書き出し | 依頼主との確認・修正対応 |
上記のとおり、AIを使いこなすほど、同じ時間で作れる本数と表現の幅を広げられる点が、これからの動画クリエイターの強みになります。AIで変わる仕事の全体像はAIでなくなる仕事・残る仕事、AIを使った新しい働き方はAIを使う仕事一覧で紹介しています。
動画クリエイターを仕事にするなら:独学で詰まる場面とスクールという選択肢

動画クリエイターを仕事にする段階では、ソフトの操作より「作品の質を上げる」「最初の仕事を取る」場面で詰まりやすくなります。操作は解説動画で調べられますが、自分の作品の改善点や応募の進め方は、客観的な意見がないと判断しにくいためです。
ここでは、独学で詰まりやすい場面と対処を表で整理し、スクールという選択肢を紹介します。
詰まる場面 | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
何から学べばよいか分からない | 目指す職種とジャンルが決まっていない | STEP1に戻り、練習する動画のジャンルを1つに絞る |
作品の質が上がらない | 改善点を指摘してくれる人がいない | 人気動画との比較・添削を受けられる環境を作る |
ポートフォリオに何を入れるか迷う | 応募先が求める作品が分からない | 応募したい求人・案件の依頼内容から逆算して作る |
応募しても返信がない | 提案文と作品が依頼内容に合っていない | 依頼に近いジャンルの作品を添え、提案文を見直す |
AIツールが多すぎて選べない | ツールの比較と実務での使い方が分からない | 編集ソフトのAI機能から使い、目的に合う動画生成AIを1つ選ぶ |
上記の対処を自分で進められる方は、独学でも動画クリエイターを目指せます。一方、添削や案件獲得まで伴走してほしい方には、スクールが選択肢になります。
AI動画スクール「デジット」は、AI動画編集・AI動画生成をオンラインで学べるスクールです。専任メンターがマンツーマンで伴走し、ポートフォリオ制作から案件獲得までサポートします。料金は2ヶ月プランで一括178,000円(分割は月7,417円〜、24回分割の場合)で、案件紹介・案件獲得サポートは4ヶ月プランと6ヶ月プランに含まれます(案件斡旋を保証するものではありません)。スクールの選び方と比較はAI動画スクールおすすめで解説しています。
動画クリエイターになるにはのまとめ

動画クリエイターになるための要点は、以下のとおりです。
- 動画クリエイターに必須の資格はなく、採用や受注ではポートフォリオの作品が判断材料になる
- 年収の目安は、求人ボックスの集計で映像制作 約449万円・映像編集 約431万円・映像ディレクター 約470万円(2026年10月時点)
- 必要なスキルは、編集ソフトの操作・構成力・デザイン・AIツールの活用・進行管理の組み合わせ
- なるためのルートは独学・スクール・専門学校や大学・制作会社への就職の4つで、組み合わせられる
- 未経験からは、職種を決める → ソフトを用意 → 模写 → ポートフォリオ → 応募の5ステップで進める
まずは目指すジャンルを1つ決め、無料版の編集ソフトで1本目の動画を作るところから始めましょう。
よくある質問
Q動画クリエイターは未経験からなれますか?
動画クリエイターは未経験からでも目指せます。無料版の編集ソフトで基本操作を覚え、目指すジャンルの作品を3本前後作ってポートフォリオにまとめると、未経験可の求人やクラウドソーシングの案件に応募しやすくなります。
Q動画クリエイターになるのに資格は必要ですか?
動画クリエイターに必須の資格はありません。採用や受注では、資格よりポートフォリオの作品で何を作れるかが判断されます。知識を体系的に確認したい場合は、CG-ARTSのCGクリエイター検定などの民間検定が目安になります。
Q動画クリエイターと映像クリエイターの違いは何ですか?
動画クリエイターと映像クリエイターに明確な定義の違いはなく、どちらも映像作品を企画・撮影・編集する仕事です。Web・SNS向けの動画では「動画クリエイター」、テレビ・CM・企業VPなど制作会社の仕事では「映像クリエイター」と呼ばれる傾向があります。
Q映像クリエイターになるには学校に通う必要がありますか?
映像クリエイターになるために、専門学校や大学に通うことは必須ではありません。独学やスクールでポートフォリオを作って応募する方法や、制作会社にアシスタントとして就職して実務で学ぶ方法もあります。専門学校・大学は、撮影機材を使った実習や就職支援を受けたい方に向いています。
出典・参考
- 映像制作の仕事の年収・時給|求人ボックス 給料ナビ
- 映像編集の仕事の年収・時給|求人ボックス 給料ナビ
- 映像ディレクターの仕事の年収・時給|求人ボックス 給料ナビ
- 動画編集の仕事の年収・時給|求人ボックス 給料ナビ
- 職種別 平均年収ランキング(2025年版)|doda
- 国内動画広告市場調査(2026年3月9日発表)|サイバーエージェント
- CGクリエイター検定|CG-ARTS
- CG-ARTS検定 試験日程・受験料|CG-ARTS
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この記事の監修者

工藤 ゆみ
デジット AI動画講師/YouTubeディレクター
デジット AI動画講師/YouTubeディレクター
工藤 ゆみ
YouTubeチャンネルの立ち上げから運用まで、企画・構成・編集ディレクションを担当。視聴維持率を軸にしたチャンネル設計と、サムネイル・タイトル設計を得意とし、AI活用によって更新頻度と品質を両立させる。
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