AI CMの作り方|広告動画の実案件の制作フロー【2026年】
AI CMの作り方を、企画・画像・動画生成・編集の4STEPで解説。15秒CMのカット表の例、商品カットを崩さないコツ、ナレーション・BGMの商用利用の条件、クライアントから依頼を受ける実案件の制作フローと注意点まで分かります。
この記事の結論
- AI CMは企画→画像→動画生成→編集の4STEPで作り、動画生成AIの1回の生成は4〜15秒のため、15秒・30秒のCMはクリップをつないで尺を作ります。
- AI CMの商品カットは実物の写真を参照して作り、ラベルの文字やロゴは動画生成AIに描かせず編集ソフトで重ねます。
- 実案件のAI CMでは、ヒアリング・ラフ(Vコン)の確認・修正・権利確認の工程が加わり、BGMやナレーションは商用利用できるプランで作ります。
AI CMは、動画生成AIや画像生成AI・音声合成AIで映像や音を作ったCM・広告動画のことで、テレビCMからSNS広告まで作例が増えています。ただし、動画生成AIが1回に作れるのは数秒〜15秒ほどのクリップで、CMとして成立させるには企画と編集の工程が欠かせません。
制作フローを工程ごとに把握すると、AIに任せる部分と人が作り込む部分を分けて、手戻りの少ない段取りを組めます。とくに広告は商品の見た目・権利・広告表現のルールが厳しいため、事前に注意点を押さえておくと修正の回数を減らせます。
本記事では、AI CMの作り方を企画・画像・動画生成・編集の4STEPでまとめています。さらに、クライアントから依頼を受けて作る実案件の制作フローと、品質を上げるコツ・よくある失敗も紹介します。
AI CMとは?制作フローの全体像と工程別ツールの早見表

AI CMの制作フローは、企画→画像→動画生成→編集の4STEPです。動画生成AIが担当するのはSTEP3の生成で、CMの訴求を決める企画と、尺を整える編集は人が設計します。
ここでは、4STEPの全体像を早見表で示したうえで、AI CMの定義と事例、AIで作りやすい広告の種類、1回の生成で作れる長さを解説します。
AI CMの4STEPを、やることと使うツールの例で整理します。
STEP | やること | 使うツールの例 | できあがるもの |
|---|---|---|---|
1 企画 | 目的・ターゲット・訴求・尺を決め、カット表を作る | ChatGPT・Claude・スプレッドシート | ブリーフとカット表 |
2 画像 | 商品カット・人物・背景のキービジュアルを作る | Nano Banana・Midjourney・商品の実写写真 | カットごとの静止画 |
3 動画生成 | 静止画を参照して1カットずつ動画にする | Google Flow・Kling AI・Higgsfield | 4〜15秒のクリップ |
4 編集 | クリップをつなぎ、テロップ・ナレーション・BGMを入れる | CapCut・DaVinci Resolve・ElevenLabs・Suno | 納品できるCM動画 |
上記のとおり、AI CMの完成度は動画生成の前後にある企画と編集で決まります。動画生成AIそのものの選び方は動画生成AIおすすめで比較しています。
AI CMの定義と国内の事例
AI CMとは、人物・背景・商品カット・音楽・ナレーションの一部または全部を生成AIで作ったCMです。撮影の代わりに生成AIで映像を作るため、ロケやキャストを手配せずに企画を映像にできます。
国内でテレビ放送されたAI CMの例は、以下のとおりです。
- 伊藤園「お~いお茶 カテキン緑茶」(2023年):AI model社のAIタレントを起用し、現在の女性と30年後の女性を同一人物として表現(出典:AdverTimes 2023年10月23日)
- 創味食品のブランドCM(2026年4月放送開始):人物・商品・音楽・音声をすべて生成AIで制作し、ポストプロダクションで人の手による調整も加えた(出典:Koubo 2026年5月2日)
2つの事例に共通するのは、生成した素材を人が選び、調整してからブランドのCMとして仕上げている点です。AIで作ったことを見せるより、商品の広告として成立させることが目的になります。
AI CMで作りやすい広告・作りにくい広告
AI CMで作りやすいのは、世界観やイメージを見せる広告です。動画生成AIは雰囲気のある映像を短時間で作れる一方、商品のロゴや文字・細かい形を正確に再現するのは苦手なためです。
作りやすい広告と作りにくい広告を、理由とあわせて比較します。
区分 | 広告の例 | 理由 |
|---|---|---|
作りやすい | ブランドのイメージ映像・季節のキャンペーン・SNS広告のパターン違い | 雰囲気と動きで見せられ、生成を繰り返して案を増やせる |
工夫すれば作れる | 商品紹介・飲食物のシズルカット・人物が登場するストーリー | 商品の実写写真や参照画像で見た目を固定すれば再現しやすい |
作りにくい | 商品の操作手順・文字情報が多い告知・実在の人物が出る広告 | 細部や文字が崩れやすく、肖像権の確認も必要になる |
作りにくい広告でも、文字は編集ソフトのテロップで入れ、操作手順は実写の撮影と組み合わせれば対応できます。すべてをAIで作るより、AIが得意なカットに絞って使うほうが仕上がりは安定します。
動画生成AIで1回に作れる長さは4〜15秒
主要な動画生成AIで1回に作れる長さは、4〜15秒です。15秒や30秒のCMは、短いクリップを複数生成して編集でつなぐ前提で計画します。
主なツールの1回あたりの長さと、見た目をそろえる機能を比較します。
ツール(モデル) | 1回で作れる長さ | 見た目をそろえる機能 |
|---|---|---|
Google Flow(Veo 3.1) | 4秒・6秒・8秒 | 最初と最後のフレームの指定(Frames to Video)、参照画像(Ingredients)※Quality以外 |
Google Flow(Gemini Omni Flash 1.1) | 4秒・6秒・8秒・10秒 | Frames to Video・Ingredients・動画から動画の編集 |
Kling AI(Kling VIDEO 3.0) | 3〜15秒 | 要素(Elements)の固定、複数ショットを1回で作るMulti-Shot |
※2026年10月時点・Google Flow ヘルプ、Kling AI公式ユーザーガイドより
たとえば、15秒CMをVeo 3.1で作るなら8秒以下のクリップを2本以上、30秒CMなら4本以上つなぎます。CMはカットの切り替えが速いため、1本のクリップから使う部分だけを切り出す前提で生成すると、つなぎやすくなります。
【STEP1】AI CMの企画:ブリーフとカット表を作る

AI CMの企画では、ブリーフ(制作の前提条件)を決めてから、1カットずつの内容をカット表に書き出します。動画生成AIはプロンプトに書いたものしか作らないため、企画があいまいなまま生成を始めると、使えないクリップが増えるからです。
ここでは、ブリーフで決める項目と、15秒CMのカット表の作り方を解説します。
ブリーフで決める5項目
AI CMのブリーフは、目的・ターゲット・訴求・尺・配信先の5項目で決めます。5項目が決まると、カットの数・縦横比・テロップの量が自然に決まるためです。
ブリーフで決める項目は、以下のとおりです。
- 目的:認知を広げるのか、購入・申込につなげるのか
- ターゲット:年代・悩み・商品を使う場面
- 訴求:視聴者に残したいメッセージを1つに絞る
- 尺:6秒・15秒・30秒など、配信先の枠に合わせた長さ
- 配信先と縦横比:テレビ・YouTubeの横長(16:9)か、SNSの縦長(9:16)か
訴求を2つ以上入れると、短い尺の中でどちらも伝わらなくなります。ブリーフをChatGPTやClaudeに渡し、キャッチコピーの案を複数出してもらうと、企画の比較が手早く進みます。
15秒CMのカット表を作る
15秒CMのカット表は、冒頭のつかみ・商品の登場・訴求・締めの4ブロックで組み立てます。ブロックごとに秒数を割り振ると、動画生成AIで何秒のクリップを何本作るかが決まるからです。
15秒CMのカット表の例を、飲料の広告を想定して示します。
秒数 | ブロック | 映像の内容 | 音・テロップ |
|---|---|---|---|
0〜3秒 | つかみ | 夏の午後、汗をぬぐう女性の横顔 | セミの声・「暑さに、ひと息。」 |
3〜8秒 | 商品の登場 | 水滴のついたボトルを手に取り、キャップを開ける | 開栓の効果音 |
8〜12秒 | 訴求 | 飲んだあとに表情がゆるみ、風が吹き抜ける | ナレーション・商品の特長のテロップ |
12〜15秒 | 締め | 商品の正面カットとロゴ | 商品名のナレーション・BGMの締め |
カット表には、映像だけでなく音とテロップも書いておきます。あとからナレーションを入れる尺が足りなくなる失敗を防げるためです。カット表の作り方はAI動画の作り方でも詳しく解説しています。
【STEP2】AI CMのキービジュアルと商品カットの画像を作る

AI CMでは、動画を生成する前に、カットごとの静止画(キービジュアル)を先に作ります。静止画で人物・色味・商品の見た目を決めてから動画にすると、カットが変わっても同じCMに見えるためです。
ここでは、商品カットの画像と、人物・背景の画像の作り方を解説します。
商品カットは実写の商品写真をもとに作る
AI CMの商品カットは、実際の商品写真を参照画像にして作ります。画像生成AIにテキストだけで商品を描かせると、ボトルの形やラベルの文字が実物と変わってしまうからです。
商品カットを作るときの確認ポイントは、以下のとおりです。
- 商品の写真は背景がシンプルなものを用意しているか
- ラベル・ロゴの文字が実物と一致しているか
- 色・容量・形など、広告で誤解を招く違いがないか
ラベルの文字が崩れた場合は、生成した画像をそのまま使わず、編集の段階で実物の写真やロゴを重ねて差し替えます。商品の見た目が実物と違うと、広告として使えなくなるためです。
人物・背景はNano Bananaなどで画像を作り、見た目を固定する
人物や背景の画像は、Nano Banana(Googleの画像生成・編集モデル)やMidjourneyなどの画像生成AIで作ります。最初に1枚の人物画像を決め、その画像を参照して別の構図を作ると、カットをまたいでも同じ人物に見えます。
たとえば、STEP1のカット表なら「横顔」「ボトルを持つ手元」「飲んだあとの表情」の3枚を、同じ人物画像から作ります。なお、実在の人物に似せた画像や、他社の商品・ロゴが写り込んだ画像は使わないでください。画像生成の手順はNano Bananaの使い方で紹介しています。
作る画像 | 参照するもの | そろえる要素 |
|---|---|---|
人物 | 最初に決めた人物画像1枚 | 顔・髪型・服装 |
背景 | カット表の場所・時間帯 | 光の向き・色味 |
商品カット | 実物の商品写真 | 形・ラベル・色 |
上記の3種類をそろえてから動画生成に進むと、生成し直す回数を減らせます。
【STEP3】AI CMの動画を画像から生成する

AI CMの動画は、STEP2で作った静止画を参照して、1カットずつ生成します。テキストだけで生成するより、画像から動画を作るほうが人物や商品の見た目がぶれにくいためです。
ここでは、動画生成のプロンプトの書き方と、ツールごとの見た目をそろえる機能、広告向けの機能を解説します。
プロンプトは被写体・動き・カメラ・光・音の5要素で書く
AI CMの動画プロンプトは、被写体・動き・カメラ・光・音の5要素で書きます。5要素のどれかが抜けると、動画生成AIが残りを推測して埋めるため、CMの意図と違う映像になりやすいからです。
STEP1の「商品の登場」カットを例に、5要素のプロンプトを示します。
被写体:水滴のついた透明なボトルを持つ女性の手元。動き:ボトルを手に取り、ゆっくりキャップを開ける。カメラ:手元への寄り、わずかに右へスライド。光:午後の自然光、背景はやわらかくぼける。音:キャップを開ける音、遠くのセミの声。
思いどおりにならないときは、5要素のうち1か所だけ直して生成し直します。複数か所を同時に変えると、どの指示が効いたのか分からなくなるためです。
見た目をそろえる機能を使う
カットをまたいで人物や商品の見た目をそろえるには、各ツールの参照機能を使います。Google FlowではIngredients(参照画像)やFrames to Video(最初と最後のフレームの指定)、Kling AIでは要素(Elements)の固定が使えます(2026年10月時点・Google Flow ヘルプ、Kling AI公式ユーザーガイドより)。
用途ごとの使い分けは、以下のとおりです。
やりたいこと | 使う機能の例 |
|---|---|
同じ人物・商品を別のカットにも出す | Google FlowのIngredients、Kling AIのElements |
カットの始まりと終わりの構図を決める | Google FlowのFrames to Video(最初と最後のフレーム) |
1回の生成で複数のショットを作る | Kling VIDEO 3.0のMulti-Shot |
セリフや効果音も一緒に作る | Kling VIDEO 3.0のNative Audio |
※2026年10月時点・各公式ヘルプより。対応する機能はモデルによって異なる
ツールごとの操作はGoogle Flowの使い方とKling AIの使い方で解説しています。
広告向けの機能があるツールも候補にする
広告動画を量産する場合は、広告向けの機能があるHiggsfieldも候補になります。Higgsfieldは、自社の商品やキャラクターで広告を作り直す「Ads Studio」の機能を公式サイトで案内しています(2026年10月時点・Higgsfield公式サイトより)。
Higgsfieldでは、Kling 3.0やVeo 3.1など複数の動画生成モデルを1つの画面で選べます。ただし、生成した動画をそのまま納品するのではなく、STEP4の編集で尺とテロップを整える工程は変わりません。Higgsfieldの使い方はHiggsfieldの使い方で紹介しています。
【STEP4】AI CMの編集・ナレーション・BGMで仕上げる

AI CMの仕上げでは、生成したクリップを編集ソフトでつなぎ、テロップ・ナレーション・BGMを入れて尺を整えます。CMは秒単位で枠が決まっているため、編集で1フレーム単位の調整が必要になるからです。
ここでは、編集・音・書き出しの3つの工程を解説します。
クリップをつなぎ、テロップは編集ソフトで入れる
AI CMの編集では、カット表の秒数どおりにクリップを並べ、使う部分だけを切り出します。テロップや商品名は、動画生成AIに描かせず編集ソフトで入れます。生成した映像の中の文字は崩れやすく、修正の依頼にも対応しにくいためです。
編集ソフトは、無料で始めるならCapCutやDaVinci Resolveの無償版が候補です。カットごとに色味がずれた場合は、DaVinci Resolveのカラー調整で全体の色をそろえると、別々に生成したクリップでも1本のCMに見えます。
- カット表の秒数どおりに並べる
- テロップ・ロゴ・商品名は編集ソフトで重ねる
- カット間の色味をそろえる
上記の3点を押さえると、生成したクリップの寄せ集めではなく、1本の広告として見せられます。
ナレーションとBGMは商用利用できるプランで作る
AI CMのナレーションとBGMは、商用利用が認められたプランで作ります。広告は商用利用にあたり、無料プランでは商用利用の権利が付かないツールがあるためです。
主な音声・音楽生成AIの商用利用の条件を、以下の表で比較します。
ツール | 用途 | 商用利用の条件 |
|---|---|---|
ElevenLabs | AIナレーション | Starterプラン以上の有料プランにCommercial Licenseが付く。Freeプランは対象外 |
Suno | AI作曲(BGM) | Pro(月額8ドル)以上で商用利用の権利が付く。Freeプランは対象外 |
※2026年10月時点・ElevenLabs、Suno各公式の料金ページより
ナレーションはカット表の秒数に収まる文字数で原稿を書き、読み上げの速さで尺を合わせます。ツールの使い方はElevenLabsの使い方とSuno AIの使い方で紹介しています。
配信先ごとに縦横比を変えて書き出す
AI CMの書き出しでは、配信先ごとに縦横比を変えたファイルを用意します。同じCMでも、テレビやYouTubeは横長、SNSの広告枠は縦長が使われるためです。
横長と縦長の両方が必要な場合は、STEP2の画像を作る段階から両方の比率で用意しておくと、あとから画面を切り抜いて構図が崩れる失敗を防げます。書き出しの解像度やファイル形式は、配信する広告媒体の入稿規定に合わせてください。
実案件のAI CM制作フロー|クライアントワークで増える4つの工程

クライアントから依頼を受けてAI CMを作る実案件では、自分の作品づくりの4STEPに、ヒアリング・ラフの確認・修正・納品前の権利確認の4工程が加わります。広告は依頼主の商品とブランドを背負うため、制作者だけの判断で完成にできないからです。
ここでは、実案件の制作フローを工程ごとに示し、AI CMならではの確認ポイントを解説します。
実案件のAI CM制作フローを、工程ごとに確認することとあわせて整理します。
- ヒアリング:目的・ターゲット・尺・配信先・納期・予算と、AIで作る範囲(全編か一部か)を確認する
- 企画・カット表の提出:STEP1のブリーフとカット表を出し、訴求と構成の合意を取る
- ラフ(Vコン)の提出:STEP2の静止画と仮のナレーションをつないだ簡易な動画で、映像の方向性を確認してもらう
- 本制作:STEP3〜4で動画を生成し、編集・音入れをして初稿を出す
- 修正:あらかじめ決めた回数の範囲で修正し、最終版を確定する
- 権利確認と納品:使ったツールと規約・素材の出どころをまとめ、指定の形式で納品する
手順3のラフで方向性の合意を取ると、本制作のあとに「イメージと違う」という大きな手戻りを防げます。動画生成AIは同じプロンプトでも結果が変わるため、生成した後に全カットを作り直すと、時間とクレジットの両方を消費するからです。
ヒアリングでAIで作る範囲と修正回数を決める
AI CMの実案件では、ヒアリングの段階で、AIで作る範囲と修正回数を決めておきます。生成AIでは「人物の表情を少しだけ変える」といった細かい修正が、撮影より難しい場合があるためです。
たとえば、商品カットは実写の写真を使い、背景とイメージカットだけを生成AIで作る分担にすると、商品の見た目の修正が出ても対応しやすくなります。ただし、どこまでをAIで作るかは依頼主の方針によって変わるため、見積もりの前に確認してください。
納品時に使ったツールと規約をまとめて渡す
AI CMの納品時は、使った生成AIツール・プラン・素材の出どころを一覧にして渡します。依頼主が広告を配信する際に、商用利用の条件や権利の確認を求められる場合があるためです。
納品時にまとめる項目は、以下のとおりです。
- 使ったツール名とプラン名
- カットごとの素材の出どころ(生成・実写・依頼主の支給)
- ナレーション・BGMの商用利用の条件
一覧を残しておくと、配信後に権利について問い合わせがあった場合も、すぐに確認できます。案件の取り方は動画編集の案件獲得方法と単価相場で紹介しています。
AI CMの品質を上げるコツ4つ

AI CMの品質は、生成する本数よりも、冒頭のつかみ・商品の見せ方・色味・選び方の4点で大きく変わります。動画生成AIの性能が同じでも、どのクリップを選び、どうつなぐかで広告としての伝わり方が変わるためです。
ここでは、AI CMの品質を上げるコツを4つ紹介します。
コツ | やること | 効果 |
|---|---|---|
冒頭で状況を見せる | 最初のカットで「誰が・どこで・何に困っているか」を見せる | 途中で離脱されにくくなる |
商品カットは寄りで見せる | 商品は画面の中央・大きめに映す | 形やラベルの崩れに気づきやすく、商品も伝わる |
色味を統一する | 画像の段階で光と色を決め、編集でもそろえる | 別々に生成したカットが1本に見える |
1カットに複数案を作る | 同じプロンプトで複数本生成し、よいものを選ぶ | 動きの破綻があるクリップを避けられる |
冒頭の数秒で状況を見せる
AI CMの冒頭では、最初のカットで「誰が・どこで・何に困っているか」を見せます。とくにSNS広告はスキップやスクロールができるため、冒頭で自分ごとだと感じてもらえないと、商品が登場する前に離れられてしまうからです。
たとえば、STEP1の飲料のCMなら、商品より先に「暑さに疲れた表情」を見せると、商品の登場に意味が生まれます。
1カットに複数案を作って選ぶ
AI CMでは、1カットにつき複数のクリップを生成し、よいものを選んで使います。動画生成AIは同じプロンプトでも毎回結果が変わり、手の形や物の動きが不自然になるクリップも出るためです。
ただし、生成の回数はクレジットを消費します。STEP2の静止画で構図を確定してから動画にすると、少ない生成回数で使えるクリップを得やすくなります。
AI CMでよくある失敗と注意点(権利・広告表現)

AI CMでよくある失敗は、映像の破綻よりも、権利と広告表現の確認漏れです。広告は不特定多数に配信されるため、作品として作る動画より確認すべき項目が多いからです。
ここでは、AI CMで起きやすい失敗を原因と対処の表で示し、広告として配信する前の注意点を解説します。
よくある失敗 | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
商品のラベルや形が実物と違う | テキストだけで商品を生成した | 実物の写真を参照し、文字は編集で重ねる |
カットごとに人物の顔が変わる | カットごとに別のプロンプトで人物を作った | 1枚の人物画像を参照して全カットを作る |
BGMやナレーションが商用利用できなかった | 無料プランで作った | 商用利用の権利が付くプランで作り直す |
ナレーションが尺に収まらない | カット表に音の尺を書いていなかった | カット表の段階で原稿の文字数を決める |
実在の人物や他社のブランドに似てしまった | 有名人やブランド名をプロンプトに入れた | 固有名詞を入れず、生成結果も目視で確認する |
商用利用の条件は各ツールの規約で確認する
AI CMに使う素材は、動画・画像・音声・BGMのそれぞれで、使ったツールとプランの利用規約を確認します。商用利用の可否や条件はツールとプランごとに異なり、改定されることもあるためです。
たとえば、ElevenLabsはStarterプラン以上、SunoはProプラン以上で商用利用の権利が付きます(2026年10月時点・各公式の料金ページより)。動画生成AIについても、配信前に利用規約の該当箇所を確認してください。
広告表現は景品表示法の対象になる
AIで作ったCMであっても、商品の品質や価格を実際より良く見せる表現は、景品表示法の規制の対象です。消費者庁は、商品やサービスの品質・内容・価格を偽る表示を規制し、2023年10月1日からはステルスマーケティングも景品表示法違反になると案内しています(出典:消費者庁「景品表示法」)。
AI CMで注意したい表現は、以下のとおりです。
- 商品の効果や仕上がりを実物以上に見せる映像
- 実在しない利用者の体験談に見える演出
- 広告であることが分かりにくい見せ方
表現の可否を最終的に判断するのは依頼主です。気になる表現があれば、制作の段階で依頼主に確認してください。
AI CMの制作を仕事にするなら|独学で詰まる場面とスクールという選択肢

AI CMの制作を仕事にするには、動画生成AIの操作に加えて、企画・編集・クライアントとのやり取りまでを1人で回せる力が必要です。実案件では、自分の作品づくりにはないヒアリングや修正対応が発生するためです。
ここでは、独学で詰まりやすい場面と、学び方の選択肢を紹介します。
AI CMを独学で学ぶ方が詰まりやすい場面は、以下のとおりです。
詰まる場面 | 理由 | 対処の例 |
|---|---|---|
生成した映像が広告として使える品質か判断できない | 自分では破綻や違和感に気づきにくい | 制作経験のある人に作品を見てもらう |
ポートフォリオに何を載せればよいか分からない | 依頼主が見たい作品の基準が分からない | 15秒・30秒の架空CMを複数作り、企画意図も添える |
最初の案件が取れない | 実績がなく、提案文や見積もりの経験もない | 案件サイトで小さな案件から応募する |
独学で進める場合も、作品を第三者に見てもらう機会を作ると、広告としての品質の基準がつかみやすくなります。添削や案件獲得のサポートを受けながら学びたい方は、スクールも選択肢の1つです。AI動画を学べるスクールの比較はAI動画スクールおすすめで紹介しています。
まとめ|AI CMは企画と編集で広告に仕上げる

AI CMの作り方と、実案件の制作フローの要点は以下のとおりです。
- AI CMは企画→画像→動画生成→編集の4STEPで作り、1回の生成は4〜15秒のためクリップをつないで尺を作る
- 商品カットは実物の写真を参照し、文字やロゴは編集ソフトで重ねる
- 人物は1枚の画像を参照して全カットを作り、Ingredients・Elementsなどの機能で見た目をそろえる
- 実案件ではヒアリング・ラフの確認・修正・権利確認の工程が加わる
- ナレーション・BGMは商用利用できるプランで作り、広告表現は景品表示法も確認する
まずは身近な商品で15秒のカット表を作り、4STEPで1本の架空CMを仕上げてみてください。
よくある質問
QAI CMは無料で作れますか?
AI CMは、無料枠のある動画生成AIと、無料で使える編集ソフト(CapCut・DaVinci Resolveの無償版)を組み合わせれば試作できます。ただし、広告として配信する場合は商用利用にあたり、ElevenLabsやSunoのように無料プランに商用利用の権利が付かないツールもあります(2026年10月時点・各公式サイトより)。
QAIで作ったCMは商用利用できますか?
AIで作ったCMの商用利用の可否は、使った動画・画像・音声・BGMそれぞれのツールとプランの利用規約で決まります。たとえばElevenLabsはStarterプラン以上、SunoはProプラン以上で商用利用の権利が付きます(2026年10月時点・各公式の料金ページより)。配信前に各規約の該当箇所を確認してください。
QAIで作ったCMはテレビで放送されていますか?
AIで作ったCMは、国内でもテレビで放送されています。たとえば、伊藤園は2023年に「お~いお茶 カテキン緑茶」のCMでAIタレントを起用し(出典:AdverTimes)、創味食品は人物・商品・音楽・音声を生成AIで制作したCMを2026年4月に放送開始しました(出典:Koubo)。
Q15秒のAI CMは何本のクリップで作りますか?
15秒のAI CMは、Google FlowのVeo 3.1(1回最大8秒)なら2本以上、Kling VIDEO 3.0(1回最大15秒)なら1本から作れます(2026年10月時点・各公式ヘルプより)。実際にはカットを切り替えるため、カット表のブロックごとにクリップを生成し、使う部分だけを切り出してつなぎます。
出典・参考
この記事の監修者

萩野 研斗
デジット AI動画講師/動画広告ディレクター
デジット AI動画講師/動画広告ディレクター
萩野 研斗
広告動画・CM制作のディレクションを担当し、商品理解からコンセプト設計、絵コンテ、AIによる映像化までを一気通貫で対応。数値から逆算した構成設計を軸に、認知獲得からCV改善まで目的に応じたクリエイティブを設計する。
- 広告動画・CM制作のディレクション
- Claude Code/Higgsfield